Tuesday, November 6, 2012

ニューヨークタイムズの記事 - カーギル-カーバル, オリックス の「ラブホテル」の売却を巡る対立


カトープレジャーグループ(KPG」加藤友康  http://tokumei10.blogspot.com.au/2008/04/blog-post_15.html


オリックスビデオ http://i.youku.com/u/id_UNTMwNTc3NDgw

カトープレジャーグループビデオ http://www.youtube.com/user/katotomoyasuorix/videos?view=0



川越市(日本)数年前、穀物メジャーであるカーギルの投資子会社が一群のいわゆるラブホテルを購入した。一般に時間単位で部屋を貸しているホテルであり、この中には東京郊外に広がるこの都市にある、ネオン輝くホテルシャインも含まれていた。

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Urban Resortsの社長でカーギルに代わってホテルを経営していたハヤシ・タカシは売却後も立ち退くことを拒絶した。

家族と暮らす若い夫婦、そして遊び人や売春婦が利用し、またお金をかけずに旅行を楽しむ人たちの需要にも応えている日本のラブホテルは、優良なキャッシュフロービジネスであると業界アナリストの多くは言っているのだが、カーギルの子会社は買値に不満だった。この子会社、CarVal Investorsは先週、10物件を約2千万ドルで売却した。同社が2004年から2005年にかけて支払った6千万ドルよりもはるかに少ない額だった。

これもまた、ファイアセールの1つに過ぎなかったかもしれない。日本の経済的苦境の真只中で投げ売りに出された不動産に投費したアメリカのファンドの多くは結局のところ、失敗に終わったのである。

だがCarValは、新しいオーナーである日本の開発業者の関連会社、カトープレジャーグループの容赦ないやり方のせいもあって、元従業員やビジネスパートナーから非難を浴びている。木曜日の取引成立後すぐに、買主は黒ずくめの男たちをホテルに送り込んでホテルの従業員や客さえも追い出し、入口に木のバリケードを張って封鎖した。

300人のホテル従業員が見捨てられることになった。彼らは今週、カーギルの東京本社の前に集まって抗議する計画を立てている。CarValの所有権の下でホテルの経営を請け負っていた2人の役員は立ち退きを拒絶してホテルシャインの中に残っており、地元警察が出動する事態とになった。

だが売却に対して最も声高に異議を唱えているのは、ホテル経営の契約を結んでいたCarValの元パートナー、アルケミーである。裁判所に提出された書留郵便において、アルケミーは、CarVal201410月の契約終了前に物件を売却することによって業務契約に違反したと主張している。

警視庁と埼玉県警への提出書においても、アルケミーは、カトープレジャーが日本の犯罪組織とつながりがあり、売却を止めることを繰り返し外部調査による裏付けでもって警告したにもかかわらずCarValは無視したことを主張している。

CarValに対して当社が申し立てたいことは、彼らが組織犯罪集団と疑われる相手と取引しようとしているという信頼性の高い助言を無視したことです」と、アルケミーの最高経営責任者であるMiro Mijatovicは発言している。

CarValはアルケミーの非難は根拠のないものだとしている。カトープレジャーも犯罪とのつながりを否定しているが、東京本社のスポークスマンやホテルシャインにいる会社の代表者に対する質問にはほとんど回答をしていない。ホテルの新しいオーナーはカトープレジャーの関連会社のプラス・テン・マインドで、両社の社長は同一人物である。

CarValのマネージング・ディレクターを務めるAnn Folkmanによると、ホテル事業を行うのは妥当であったそうである。「レジャーホテルというと、みだらなように思われるかもしれませんが、合法的なビジネスであり、親と同居していたり、社宅に住んでいることの多い日本の若者の需要に応えている昔からの業界です」と、Folkman女史はメールに書いている。「当社が世界中で投資しているホテルの多くと同様、当社の投資戦略は、法令に従ったビジネスを行い、十分な規模に拡大して業務を安定させてから、ビジネスの価値を認めてくれる買主に売却するために退却することでした。」

CarValの退却は木曜日の午後3時直後であった。カトープレジャーの関係者だという男たちが一斉にホテルにやって来てスタッフを追い出し、怯える客たちを部屋から追い払い、簡易バリケードを作り、カトーの経営陣や従業員のために鍵を変えた。

ホテルの日常業務を請け負ったアルケミーの部門であるUrban Resortsのハヤシ・タカシ社長は、ホテルシャインから立ち退くことを拒絶したのであるが、土曜日に高い塀越しに記者と話したときは震えているようだった。彼の両側にはカトープレジャーで働いているという2人の男が立っていたが、彼らは記者と話そうとはしなかった。敷地周辺では6人の作業員がホテルの入口にあるバリケードの最後の仕上げを行っていた。

「私は大丈夫です」ハヤシ氏は言った。「立ち退くつもりはありません。」

Folkman女史によると、 CarValはホテルの立ち退きには関与していないそうである。2008年にホテル経営のために契約したアルケミーが、世間の注目を集めるために従業員に居残ることを薦めたのではないかということだった。「アルケミーが売却に不満をもっていたことがこのような行動を招いたのだと考えています。彼らがニューヨークタイムズその他に訴えていることの多くはまったくメリットのないものだと考えています」と彼女は語った。アルケミーは自社のビジネスを守ろうとしているのであり、ホテルを去るに当たって3億円(390万ドル)を要求してきたそうである。この要求額は、「なんら法的根拠のない」ものだそうである。アルケミーはホテルを購入したいために売却の話を壊そうとしたのだと彼女は語った。

Mijatovic氏は、アルケミーとCarValとの契約はあと2年残っており、同社は早期解除によって失われた料金を回収するための金銭を求めているのだと反論した。

CarVal2006年にカーギルの完全所有子会社となり、現在の運用額は90億ドルとなっており、1990年に日本の不動産価格が崩落した後に不良債権や投げ売りに出された物件のポートフォリオを購入した最初のアメリカ企業であった。それ以来、ゴールドマンサックスから中小規模のハゲタカ・ファンドに至るまで、投資家たちは格安価格の物件を買い漁った。

ラブホテルは経営するに当たっては微妙なところがあるが、投資家にとっては、その安定した強力なキャッシュフローと高い利回りゆえに魅力的なものとなっている。ホテルシャインでは3千円、すなわち38ドルほどで90分間、キングサイズのベッドに占領されたほとんど何もない部屋を使用することができる。業界誌のレジャーホテルによると、この業界では年間2兆円から3兆円、すなわち380億ドルの売上があるそうである。

だが近年、ホテルには不動産市場のビッグプレイヤーである日本のマフィアが集まるようになってきた。

アルケミーの最高経営責任者であるMijatovic氏によると、カトーが組織犯罪とつながりをもっているという報告をCarValと警察当局に伝えたそうである。CarValでは、アルケミーが委託して、世界的な企業調査・リスクコンサルティング会社であるKroll Advisory Solutionsによって作成されたこの報告書は信頼性に欠けると言っている。

報告書では、日本最大の犯罪シンジケートである山口組がカトープレジャーに3千万円を直接出資しているとしている。

Mijatovic氏によると、氏の弁護士が月曜日に警視庁でカトーのことについて話し合ったそうである。警視庁ではこのような会合をもったことについてコメントを控えた。

このところ日本では、組織犯罪とかかわりのあるビジネスに対する法律を強化している。米財務省は米国国民と山口組との取引を禁止した。

Kroll報告書ではまた、ラブホテル業界の大手であるカトーが残業手当を支払わずに従業員を働かせていることなど、労働条件が劣悪であることで有名であることも報告している。カトープレジャーが経営する大阪にあるホテルで清掃員として働き、地元労働組合の組合員でもあるオオクボ・タケシ(57歳)は、無給の残業を始めとして雇用契約違反が横行していると言う。

Folkman女史は、Kroll報告書とアルケミーはカトープレジャーのビジネスの事実を曲げて伝えているとしている。CarValの法務チームは、Krollの報告が「曖昧で中傷的な当て付けに満ちたものだ」という調査結果を得た。
Folkman女史は日本の大手金融サービス企業であるオリックスが売却を仲介したことに注意をうながした。CarValがカトーに関して独自の調査を行ったことも付け加え、カトーが日本では大手の立派なホスピタリティ企業であると結論付けた。Krollはコメントを控えた。

有名な信用調査会社である帝国データバンクによる別個の独立報告書では以前、カトープレジャーのビジネスに対して疑問が投げかけられていた。201110月付の報告書には、カトープレジャーが大阪にある1つの小さな信用組合にしか口座を持っておらず、日本の大手金融機関には持っていないようだとしている。第一東京弁護士会で組織犯罪対策委員会を率いるスズキ・ヒトシ弁護士によると、日本の場合、定評ある企業ではこのようなことは一般にまれであり、マフィアとのつながりを示す兆候になるそうである。ただし彼はカトープレジャーの業務について詳しくは知らないと言う。

同報告書によると、カトープレジャーは2011年初頭に920万円、すなわち118,000ドルの営業損失を出している。信用格付けで見ると、同社はカトープレジャーを100点満点で39点という落第点を付けている。

東京にあるカトープレジャー本社のカワモトとしか名乗らなかった役員は月曜日、同社は日本のマフィアとは「まったく何のつながりもない」と語った。彼はホテルの売却を「完全に有効」なものであるとし、「粛々と」進めるつもりだと語った。記者がさらに質問をしようとしたところ電話を切られた。月曜夕、同社の代表番号にさらに電話をかけてみたが誰も出なかった。

売却を仲介したオリックスのレジャーホテル部門の役員である大阪のスエズミ・カツユキは取引についてコメントする権限はないと言った。東京のオリックス本社に質問リストを送ったが月曜日に回答は得られなかった。

川越よりタブチ・ヒロコ、ニューヨークよりStephanie StromKen Belsonがニューヨークより寄稿。

http://www.nytimes.com/2012/10/02/business/global/conflict-in-cargill-sale-of-love-hotel-in-japan.html?pagewanted=all

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